今日は前回好評だった『シストレを学ぼう!』の第二弾です!
システムトレードことシストレについての連載ですが、今回は前回の続きとして【専業トレーダー】と【兼業トレーダー】について掘り下げて考えてみました。
一見するとシステムトレードから脱線しているように感じるかもしれませんが、前回振り返った【裁量トレード】と【システムトレード】の違いにも関係する、それぞれの特徴や向き不向きなどを理解していただき、今後に活かしていただけたらなぁと思います(^^)
専業トレーダーと兼業トレーダーの違い
よく質問で「専業トレーダーじゃないと勝てない?」「専業になれば勝てる?」といったことを聞かれますが、専業だから勝てて、兼業だから勝てないということは一切ありません。
元々勝てないトレーダー、つまり勝てるスタイルやロジックが確立されていないトレーダーが専業になったからといって、劇的に勝てるようにはなりません。
専業トレーダーとして結果を出してる人は、
兼業トレーダー時代から結果を出していて、
更に稼ぐためや一本で生活できると判断して専業へとスイッチしています。
確かに専業の方が稼ぐチャンスは多いですがそれは単純に時間の違いです。
本質的な「勝てるか?」といった問題とは別モノです。
人は無い物ねだりというか、隣の芝生は青く見えるというか、兼業トレーダーの多くは専業トレーダーへの憧れのようなものを持っていると思いますけど、実際はそんないいものではありません。
「FXで生活できるなんて夢みたい!」なんて思うかもしれませんが、違う角度の見方をすれば「FXで利益を出さないと食べていけない」というプレッシャーと常に向き合う必要があるということです。
専業トレーダーへの憧れは幻想
実際、専業トレーダーは大変です。
やったことがある人は分かると思いますが、様々なプレッシャーもあり、やりたくなくてもやらなければいけないので、常に強迫観念に襲われる感じになります。
ましてや負けが込んできた時なんかは、それが何倍にも大きくなってのしかかってきますから、精神的にも肉体的にもどんどんと追い込まれていきます。
24時間FXのことを考えて、頭から離れなくなります。
株などの投資だとまた違うのかもしれませんが、FXの場合、例え投資が上手く成功したとしても、ずっとマーケットが動いていて、投資ができる環境にあるので、そこから離れてリフレッシュするタイミングも難しいです。
常に生きるか死ぬかの恐怖と戦っているような感覚なので「やらなければ・・・」という脅迫観念の方が強く、頭からFXのことを排除するのはなかなかできません。
ポジポジ病って感じたことがある方も多いと思いますが、それのもっとヒドい感じとイメージしてもらえればいいですかね?
結局、稼いでも遊ぶ時間がなく、お金の使い道もありません。
車とか家くらいしかないという人が多いです。
友人と食事やお酒を飲もうにも、FXが気になって全然楽しめませんし、酔っ払ってる場合じゃないので、そもそもあまり出歩かなくなります。
長期間の旅行なんかも気になって行けないですから、週末に一泊温泉旅行くらいが精一杯です。
人間関係も、自分から積極的に動かない限り、社会的にみたら孤立した生活になりますし、孤独感や疎外感を強く感じがちです。
もちろん慣れてきたり、もう安定できるくらいの資産を築くことに成功した後は、ある程度余裕もできますから状況は変わりますけど、そこまで辿り着けずに脱落していく人も多いのが現実です。
勝てない理由を見つけようとして、その答えとして兼業から専業トレーダーへと移っていく人は、大体が失敗します。
兼業で稼げない人は、専業になっても稼げないということを忘れないで下さい。
兼業トレーダーでも稼げる!
こんなデメリットも多くあるのが、専業トレーダーの実体です。
「全てを犠牲にしてでも、FXで稼ぎまくる!」気持ちや覚悟があって、はじめてスタートラインです。
そこから勉強や経験を積み重ねて、同時に結果も出していかないといけません。
兼業トレーダーと違いFXで稼げなきゃ、生活することができないからです。
もし『稼ぐ』だけを考えるのであれば、兼業でも稼ぐ方法は沢山あります。
実際兼業トレーダーで結果を出している人の方が圧倒的に多数です。
例えばトレードの時間です。
兼業トレーダーとして、1日の半分を仕事に費やし、帰宅してからFXをやったとして、時間にしてトレードに割ける時間は1日2~3時間。多い人でも5時間未満という方が殆どでしょう。
その時間を最も効率のいい時間と合わせるだけで、稼ぐチャンスは増えます。
具体的にいえば、平日の16時~21時。
普通の会社員が仕事終わりに遊びに繰り出しているような時間の一部を、FXに費やす努力をするだけで、一気に稼ぐチャンスは増えます。
意識している方はご存知でしょうけど、
これはいわゆる『欧州市場スタート~NY市場スタート』の時間です。
この時間は欧州勢が当日のNY市場の値動きを睨んで、一気に仕掛ける時間帯です。
もちろん全ての時間に張り付く必要はありません。
欧州勢の動向を見守り、その日の値動きのトレンドを予測します。
21時過ぎからはNY勢が参戦し、重要度の高い北米の経済指標なども発表されますから、それに備えて仕掛けておきます。
実際エントリーする時間はわずかでOK、重要なのは情報収集と分析が必要です。
そして1日で最も値が動く、21時~26時(午前2時)に突入。
ここはもう、事前に予測したトレンドに沿って、売買のポイントをひたらすら探して実行するだけです。
スイングトレードであれば指値の調整、デイトレであれば売りぬくポイントを見つける、スキャルならとにかく機械的なトレード。
これを繰り返すだけです。
時間の組み立てと負けを受け入れる心構え
この時間帯でその日の動向を予測しながらトレードしようする人がいますけど、それだとトレンドの把握が難しいです。
全てを一緒にやろうとするから、混乱をして相場に振り回されてしまい、結果的に負けてしまいます。
【情報収集・予測】【エントリー】【決済】この3つをしっかりと区別して、
それぞれしっかりと時間を確保してトレードに臨むことで、成績は向上します。
例えば・・・
- 20時~【情報収集・予測】
- 21時~【エントリー】
- ~22時【決済】
このようなスタイルなら1日3時間もあれば十分です。
もし20時に立てた予測が外れてしまったら、
その日は負けの日として深追いをせずに、FXから離れた方がいいです。
その反省を次に活かして、翌日勝てばいいんですから。
途中でストーリーを組み立てたり、修正をしようとすると、どうしてもチャートの値動きに振り回されます。
冷静な判断は難しいですから、当然どんどん負ける可能性が高まります。
多くの負けパターンは、これに該当します。
負けた時は潔く負けを認めて、次のチャンスまで待つ。
こうして時間で区切って組み立てるだけで、勝てるトレーダ-に近づくでしょう。
大切なのは戦略!シストレは兼業トレーダーの味方
ここまでお読みいただければ分かる通り、
トレーダーにとって大事なのはエントリーでも決済でもなく戦略です。
行き当たりばったりのトレードで勝てないのは当然です。チャートを見ていて振り回されるのも当然です。
大切なのは【情報収集をして、予測を立て、最適な戦略を組み立てる】ことです。
戦略を立てられるのは、人間しかいません。
自分にしかできない仕事ですから、そこに最も力を入れるようにしましょう。
エントリーや決済は、戦略に沿って行うだけの機械的な作業です。
それを機械に任せてしまうことができれば、一気に時間も短縮しますから、兼業トレーダーの時間的制約の問題が解決してしまいます。
精神的にも肉体的にも楽になり、より戦略に集中できるようになります。
そういったことを実現してくれるのが、システムトレードことシストレです。
エントリーや決済は先程も言ったとおり、機械的にやればいいこと。
だったら機械に任せてしまってもいいのでは?
という発想のもとに生まれたのではないかな?とKENICHIは想像しますw
もちろん体が24時間常に全力で動き続けられて、FXのことだけやっていればいい人生だったとしたら、シストレなんか必要ありません。
でも実際は人間の体には限界があり、それは判断力や精神にも大きく影響します。
生活の中でFXをやっている訳ですから、時間的な制約もあります。
時間的な制約も、判断が狂う人間の肉体も、全てトレードにとっては不必要なものであり、マイナスの要因になる可能性のあるものです。
シストレはそうしたマイナス要因の打開策で、解決策になる可能性を秘めています。
つまり、兼業トレーダーにとって心強い味方になりえる存在というわけです。
今日の振り返り
さて、今日は専業トレーダーと兼業トレーダーの違いや、それぞれのメリットやデメリットをお話していましたが、いかがでしたか?
最後まで読んでいただければ、どうしてシストレを知る上でこのお話をしたのか、理解していただけたと思います。
次回はいよいよ、シストレことシステムトレードで『稼ぐ』には?という点を、もう少し掘り下げてお話していきたいと思いますのでお楽しみに(^^)
それでは、また。