こんばんは。
既に一般ニュースやチャートの激しい値動きなどで実感をされている方も多いと思います。
イギリスの国民投票の結果、EU離脱という決断が下されました。
まさか本当にブレグジット(Brexit)になるとは・・・
正直楽観視していた部分も大きかっただけに、かなりの衝撃を受けました。
事前の報道では接戦ながらも『残留』が優勢と言われていましたし、開票スタートとなる直前までは株価や為替は上昇ムードで進むなど、イギリス国民の冷静な決断を信じて世界経済が進んでいきました。
風向きが変わったのは開票スタート直後。
一気にポンド絡みの通貨が暴落をしはじめると、それに釣られるように全ての通貨が暴落。
その勢いが示したのは、まさかの「EU離脱」の可能性。
それまでとは一変して市場には緊張が走り、様々な思惑が交錯して乱高下を繰り返す各マーケット。
そして運命の瞬間・・・
イギリスのBBCが報じた「開票の結果、EU離脱の多数が確実」
その瞬間に、先程を上回る本物の暴落がはじまりました。
わずか数分の出来事でしたが、あらゆる金融市場が下落し世界中が大混乱に陥り、まさかこれが現実のものとは思えないような、不思議な感覚に襲われました。
その後、各メディアから続々と流れる速報を目にし、先程の報道が誤報ではないことを実感。
続報が届く度に、少しづつ歴史が変わったという事実を認識しました。
これがKENICHIが直面した、今日一日の出来事です。
正直な感想は・・・今でも信じられない、といった思いです。
何故イギリス国民がこのような感情的な判断をしてしまったのか、気持ちは理解できなくはないですが、世界の主要国の国民の行動として、あまりにも軽率な判断に思えて仕方ありません。
ここから決断がひっくり返るような出来事を起こすのは現実的に難しいでしょうけど、どこかで願ってしまっています。
しかしそんなことが起こるはずもなく、キャメロン首相が辞任を発表し既にEUの離脱へ向けてのスタートが切られました。
このブレグジットという決断が今後の世界に与える影響をあまり実感していない方もいるかもしれませんが、これは世界の歴史に残る出来事です。
直近だけでみるとリーマン・ショックの時程の衝撃はないように感じるかもしれませんが、実際はそれ以上の大きな出来事といえると思います。
まずはイギリスという世界有数の大国は、今後衰退の道を余儀なくされるでしょう。
EUという社会の中で出来上がっていた経済は完全に停滞し、世界中から集っている企業はどんどんと撤退をする可能性もありえます。
そうなれば世界三大市場でもあるロンドン市場は信頼や信用を失うでしょうし、経済はますます停滞の一途を辿り、国民のフラストレーションはどんどんと高まり、治安の悪化は避けられないでしょう。
イギリスは連合国なので、EUに残りたいスコットランドをはじめとした北アイルランド・ウェールズなどの各地域が独立を主張する動きも早くも始まっていますから、内紛に発展する可能性もあり得ます。
少し飛躍して考えてしまえば、戦争に発展する可能性だって十分あると思います。
イギリス程の国が戦争状態に入れば、その戦火が世界中に飛び火することは避けられないでしょうから、最悪の場合第三次世界大戦なんてことの引き金になる可能性だってあるかしれません。
イギリス国内だけでもこのよなリスクがあるにも関わらず、何故イギリス国民はブレグジットという決断をしてしまったか?
ハッキリ言って理解に苦しみます。
だって離脱派の主な理由として挙げれてくるものが「移民が流れ込んできたことで職を失った」というものですよ?
気持ちは理解できなくはないですが、感情的な判断と言わざる得ません。
これが世界を引っ張るの先進国のやることなのでしょうか?そう思っている世界中の人にとっても、ブレグジットの影響は容赦なく襲ってきます。
まずはなんといってもEUです。
イギリスというEUの中でドイツ・フランスと共に引っ張る存在である国がいなくなれば、著しくEUの経済力は弱まります。
経済力が弱まれば当然求心力も低下し、EUへの不満を感じている各国の不満は一気に噴出するでしょう。
既に第二、第三のブレグジットが話題になっているように、続々とEUを離脱する国家が増えるかもしれません。
もうそうなればEUは崩壊です。
欧州の統一という夢は途絶え、ヨーロッパの経済は大混乱と共に衰退の一途を辿るでしょう。
これまでEUを支えてきたドイツやフランスにとっても、支えられてきた国々にとって、EUという連合があってこその前提の上で進められてきた全てが、崩壊していくんですから・・・影響は計り知れません。
その影響はヨーロッパ経済への輸出を中心に成長をしてきたインドをはじめ、貿易拠点や資源輸出として成長をしたアフリカ各国・中東各国・東南アジアの国々の実体経済に直撃し、中国・日本・アメリカといった共に世界経済引っ張ってきた国々の経済、そして金融市場にも大きな混乱をもたらします。
このように、イギリス国民の「移民から職を取り戻す」という願いを叶えるということは、世界中に大混乱をもたらすという対価に見合うのでしょうか?
そういったことは一切頭にはないでしょうね。
もちろん離脱派も経済のことは考えていて、EUにいるよりも離脱した方が自国民にとって経済的なメリットが大きいということを主張した上で、今回の国民投票に挑みました。
ただその主張は「EUを離れたとしても、EU側が擦り寄ってくるから、強気でいけばいい条件で貿易の取り決めを結ぶことができる」というあまりにも安直というか、身勝手というか、バカげた主張です。
他国の迷惑も考えず、自国の利益も判断できず、ただ混乱を楽しむかのような様子に、個人的にはもの凄い恐怖を感じました。
とはいえ離脱が決まってしまったのですから、離脱派が思い描くような円満ストーリーになることを祈るばかりですが、イギリス国民自身が「やっぱりあの頃の方がまだいい!」といってEUへの再加入を望む可能性の方がまだ現実的じゃないかなぁと思いますw
EUをはじめとした世界経済の首脳陣が、今後どうやってこの問題へ取り組んでいくのかに注目が集まりますが、私達個人投資家が一つだけ決して忘れてはいけないことがあります。
それは、「混乱はまだ、はじまったばかりだ」ということです。
今日の値動きが思ったよりもマシだったからといって、安心してはいけません。
本格的な混乱はこれからです。
世界中の中央銀行や政府は、少しでもそうならないように様々な対処をしていくでしょうし、それを信じたいところですが・・・
既に狂ってしまった歯車を直すことは容易ではありません。
これから徐々にその影響が表れ、気付いたら取り返しのつかない混乱が世界を襲っているかもしれない。
そのポイントの見極めが、少なくとも向こう3年~5年程度は必要になってくるでしょう。
それほど大きなスパンで考えないといけない程の出来事が、今日世界中が注目する中で巻き起こったということを、改めて自覚して下さい。
少し重苦しい雰囲気に終始してしまいましたが、KENICHIにとっても衝撃の1日だったのでw
今日はこの辺で失礼させていただきます。
それでは、また。